涅槃経』という経典に基づいて描かれている涅槃図は拘尸那竭羅(クシナガラ)の沙羅双樹の間において
釈迦の入滅の場面です。『平家物語』の「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」は、この光景です。
絵の中央にお釈迦さまが頭を北に、顔を西に向け、右手を枕にして横たわっている側で、菩薩や弟子
動物にいたるまで嘆き悲しんでいる様子が見えます。
正定寺の涅槃図は元禄元年(1688)(329年前)に当山五世活門玄龍和尚が新調したもので
縦227㎝・横158㎝の描表具(本紙だけでなく表装の部分も筆で書き分けた表具)です。
二月十五日の涅槃会に掛けられます。